[目的]行動科学的手法を用いた運動習慣獲得プログラム(教室)が,中高年女性の身体組成に及ぼす影響をDXA(dual energy x ray absorptiometry)で分析した。[方法]運動習慣のない女性314名を対象とし,介入群280名(平均年齢48.5±11.0歳)と対照群34名(49.8±13.9歳)に分けた。介入群は,教室(毎週1回2時間,全12回)に参加し、身体活動量を高める自己監視を続けた。身体組成は、教室前後にDXA を用い部位別に分析した。[結果]2要因分散分析と下位検定の結果,全身脂肪量は,有意な交互作用を示し,介入群のみ有意に低下した。全身の骨塩量および除脂肪除骨量は,交互作用がなかった。介入群での全身脂肪低下量(-1,776±1,737g)は,全組織量の減少量(-1,781± 1,910g)と同値であり,四部位(頭・腕・脚・体幹)の中で,体幹部の減少(-1,094± 1,128g)が最も大きかった。[結語]教室は,中高年女性の骨塩量と筋肉量を維持したまま,体幹部を主とする体脂肪量の選択的減少による減量に有効であることが示唆された。