抄録
[目的]本研究は,幼児における体格と運動機能の性差,および超音波画像法を用いて計測した筋厚との関連を調査した。[対象と方法]健常年長児44名(男児26名,女児18名)を対象とした。対象の身長,体重,超音波画像法を用いた大腿四頭筋の筋厚,筋硬度,足趾把持力,握力,および立ち幅跳びを計測した。全ての項目を男児と女児の2群間で比較した。また,それぞれの項目間の関連を調査した。さらに,筋厚を従属変数,有意な相関が認められた項目を独立変数として,重回帰分析にて検証した。[結果]全ての項目において男児と女児に有意差は認められなかった。筋厚と有意な相関が認められた項目は,身長と体重であった。筋厚に独立して関与する要因は体重であった。[結語]年長児の体格と運動能力に関して,性差がないことが示唆された。また,大腿四頭筋の筋厚と関連がある項目は,身長と体重であり,幼児の筋厚は運動習慣などによる増減よりも,体格の影響が大きいことが明らかになった。