抄録
[目的]本研究は,回復期脳卒中患者において6分間歩行距離(以下6MD)と運動機能や自覚的運動強度との関連性を検討することである。[方法]下肢装具を必要とせず杖もしくは独歩で歩行可能であった50名を対象とした。Stroke Impairment Assessment Set(以下SIAS),膝伸展筋力,Berg Balance Scale(以下BBS),6分間歩行テスト後の自覚的運動強度を収集した。各運動機能や自覚的運動強度が単独で6MD に与える影響を検討するため,Spearman の偏順位相関,重回帰分析を用いて分析した。[結果]6MDとSIAS 下肢近位テスト(Knee-extension test),BBS で関連性が認められた。[結語]回復期脳卒中患者において,6MD は自覚的な疲労度よりも麻痺側下肢やバランスの機能を反映する評価法であることが示唆された。