ヘルスプロモーション理学療法研究
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短報
最適歩行と最速歩行中の歩行パラメーターと下肢筋活動の比較
小澤 実奈村田 伸窓場 勝之小西 佑磨阪本 昌志高橋 萌吉田 安香音安彦 鉄平白岩 加代子阿波 邦彦堀江 淳甲斐 義浩
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2016 年 5 巻 4 号 p. 179-183

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抄録

要旨:本研究の目的は,最適歩行と最速歩行の歩行パラメーターと下肢筋活動を比較し,それぞれの特徴を明らかにすることである。方法は,健常成人女性15名を対象に,歩行中の大腿直筋,大腿二頭筋長頭,前脛骨筋,腓腹筋内側頭の筋活動量を,表面筋電計を用いて測定した。なお,歩行パラメーターは歩行分析装置を用いて評価した。その結果,歩行パラメーター,筋活動においてすべて有意差を示した。さらに,最適歩行に比べ最速歩行の歩行率は歩幅よりも有意に増加し,立脚時間・両脚支持時間は有意に減少した。下肢の筋活動においては,最速歩行ですべての筋活動が2倍前後増加し,遊脚期の大腿直筋のみ約3倍増加した。以上のことから,歩行速度の増大には,歩行率の増加,立脚期の短縮が大きく関与し,また筋活動では前方への推進力としての役割が強い大腿直筋が大きく影響していることが示唆された。

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© 2016 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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