2016 年 6 巻 3 号 p. 139-143
本研究は,開発した足趾把持機能を高めるインソールを紹介するとともに,その効果について健常成人女性50名(20.1±1.1歳)を対象に検討した。方法は裸足,一般のインソール靴(一般靴)と足趾把持機能を高めるインソール靴(開発靴)を履いた3条件における重心動揺の総軌跡長と外周面積を比較した。多重比較検定の結果,総軌跡長は裸足に比べて一般靴と開発靴を履いた状態での値が有意(p<0.01)に小さく,外周面積は開発靴を履いた状態での値が裸足よりも有意(p<0.01)に小さかった。これらの結果から,足趾把持機能を高めるインソールの立位バランスに及ぼす一定の効果が示された。本研究によって,今後介入研究や高齢者を対象にした研究を行う意義が示された。