ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
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ISSN-L : 2186-3741
6 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • ~転倒予防トレーニングの観点から~
    山崎 先也, 村田 伸, 大田尾 浩, 堀江 淳, 村田 潤, 宮崎 純弥, 久保 温子, 八谷 瑞紀, 岩瀬 弘明, 岡本 啓, 溝田 勝 ...
    2016 年 6 巻 3 号 p. 105-109
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー

    本研究は,高齢者における静的バランス能力と下肢筋力の関係性を体格指数別に明らかにすることを目的とした。対象者は,75歳以上の女性152名であり,体格指数別に3 グループ(低栄養傾向群:BMI≦20kg/m2,標準体重群:20<BMI<25kg/m2,肥満群:BMI≧25kg/m2)に分類した。静的バランス能力の指標として,開眼片脚立位時間,下肢筋力として足把持力および膝伸展筋力の測定を行った。低栄養傾向群の開眼片脚立位時間(32.5±32.4秒)は,標準体重群(19.2±18.0秒)や肥満群(12.9±15.5秒)と比較して,有意に長いことが示された(p<0.01)。体重あたりの足把持力と開眼片脚立位時間に有意な相関関係が示された群は,低栄養傾向群と標準体重群であった(p<0.01)。一方,体重あたりの膝伸展筋力と開眼片脚立位時間に有意な相関関係が示された群は,標準体重群のみであった。これらの結果から,静的バランス能力に対する下肢筋力の寄与は体格により異なることが示唆された。

  • 中嶋 大喜, 村田 伸, 飯田 康平, 井内 敏揮, 鈴木 景太, 中島 彩, 中村 葵, 白岩 加代子, 安彦 鉄平, 阿波 邦彦, 窓場 ...
    2016 年 6 巻 3 号 p. 111-116
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,5m 最速歩行時間と身体・認知・精神機能との関連を調査し,活動的な高齢者における5m 最速歩行時間の有用性を検討することである。方法は,太極拳や筋力トレーニングなどを行う高齢者健康サークルに意欲的に参加している女性高齢者351名を対象に,5m 最速歩行時間と下肢筋力や立位バランスなどの身体機能の他,認知機能や精神機能を含めて調査した。重回帰分析の結果,5m 最速歩行時間と独立して関連する因子として抽出された項目は,30-second chair-stand test,身長,大腿四頭筋筋力,開眼片脚立位時間,Geriatric Depression Scale‐5の5項目であった。このことから,5 m 最速歩行時間の測定は,活動的な高齢者であっても下肢筋力やバランス能力などの身体機能のみならず,精神機能をも反映する簡便な指標として使用できる可能性が示された。

  • 大杉 紘徳, 村田 伸, 白岩 加代子, 安彦 鉄平, 阿波 邦彦, 窓場 勝之, 堀江 淳
    2016 年 6 巻 3 号 p. 117-121
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー
  • 中村 浩一, 兒玉 隆之, 平野 幸伸, 中野 聡太
    2016 年 6 巻 3 号 p. 123-126
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー

    要旨:本研究の目的は,腓腹筋に対するストレッチングが血行動態に及ぼす影響を生理学的に明らかにすることである。対象は,健常男子学生40名40肢右脚とした。方法は,ストレッチングを課す条件(ストレッチ条件)とストレッチングを課さない条件(control 条件)で,超音波を用いて,血管径および血流速度から膝窩動脈の血行動態を評価し,条件間およびストレッチング前後で比較検討した。結果は,条件間の血管径に有意差はみられないが,血流速度においてストレッチング前に比べストレッチング後は,有意な速度上昇がみられた。本結果から,ストレッチングは血流速度を上昇させるため,栄養する筋血流量を一時的に増加させる可能性が示唆された。

  • 飯田 康平, 村田 伸, 井内 敏揮, 鈴木 景太, 中島 彩, 中嶋 大喜, 中村 葵, 白岩 加代子, 安彦 鉄平, 阿波 邦彦, 窓場 ...
    2016 年 6 巻 3 号 p. 127-131
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,二重課題が地域在住高齢者の歩行パラメータに及ぼす影響を明らかにすることである。方法は女性高齢者35名を対象に,通常歩行(single-task 歩行;ST 歩行)と暗算課題を行いながらの歩行(dual-task 歩行;DT 歩行)について,それぞれの歩行パラメータを比較した。その結果,DT 歩行はST 歩行に比べて,歩行速度,歩行率,歩幅,ストライドが有意に短縮し,立脚時間と両脚支持時間は有意に延長した。さらに,百分率でみると歩幅が89.9%,ストライドが90.9%に減少し,立脚時間は166.6%,両脚支持時間は2倍に増加した。ただし,歩隔とつま先角には有意差は認められなかった。以上のことから,DT 歩行中の歩行速度の低下には,歩行率,歩幅,ストライドの短縮,および立脚時間と両脚支持時間の増加が影響していること,特に立脚時間と両脚支持時間の増加が歩行速度低下に大きく関与していることが示唆された。

短報
  • 中島 彩, 村田 伸, 飯田 康平, 井内 敏揮, 鈴木 景太, 中嶋 大喜, 中村 葵, 白岩 加代子, 安彦 鉄平, 阿波 邦彦, 窓場 ...
    2016 年 6 巻 3 号 p. 133-137
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー

    本研究は健常成人女性14名を対象に,ヒールの高さの違いが歩行パラメータと下肢筋活動に及ぼす影響について検討した。ヒールなしおよびヒール高3cm と7cm 靴を着用した歩行中の歩行パラメータと下肢筋活動を計測した結果,歩行速度および歩幅とストライド長はヒールなし歩行に比べて,ヒール高7cm 歩行で有意に低下した。ヒールなし歩行とヒール高3cm 歩行のそれらの歩行パラメータには,有意差は認められなかった。両脚支持時間は,ヒールなし歩行に比べてヒール高3cm と7cm 歩行で有意に短縮したが,遊脚時間は後者が有意に増大した。下肢筋活動においては,測定した4筋すべてにおいて有意差が認められなかった。以上のことから,ヒール高3cm 以上で歩行中の立脚時間や遊脚時間に影響を与えるが,ヒール高3cm までであれば,歩行速度および歩幅やストライド長には影響が少ないことが示唆された。

  • 村田 伸, 安彦 鉄平, 中野 英樹, 阪本 昌志, 松尾 大, 川口 道生
    2016 年 6 巻 3 号 p. 139-143
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー

    本研究は,開発した足趾把持機能を高めるインソールを紹介するとともに,その効果について健常成人女性50名(20.1±1.1歳)を対象に検討した。方法は裸足,一般のインソール靴(一般靴)と足趾把持機能を高めるインソール靴(開発靴)を履いた3条件における重心動揺の総軌跡長と外周面積を比較した。多重比較検定の結果,総軌跡長は裸足に比べて一般靴と開発靴を履いた状態での値が有意(p<0.01)に小さく,外周面積は開発靴を履いた状態での値が裸足よりも有意(p<0.01)に小さかった。これらの結果から,足趾把持機能を高めるインソールの立位バランスに及ぼす一定の効果が示された。本研究によって,今後介入研究や高齢者を対象にした研究を行う意義が示された。

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