2017 年 6 巻 4 号 p. 201-205
本研究の目的は,虚弱高齢者が持つ身体機能の自己認識と実際の身体機能との関連を明らかにすることとした。虚弱高齢者24名を対象とし,1年以内の転倒歴の有無で非転倒群と非転倒群に群分けした。身体機能の自己認識の尺度としてFalling Self-Efficacy Scale(竹中,2002;FSES)を用いた。身体機能の尺度として5m歩行,Timedupandgo test,片足立ちを用いた。非転倒・転倒群の各群におけるFSES と各テスト間の相関について検討した。結果,非転倒群のFSES と各テスト間に相関がみられたが,転倒群ではみられなかった。このことから非転倒群は自らの身体機能を認識する傾向にあると考えた。よってFSES は虚弱高齢者の転倒を予測する上で有用な指標の一つとなる可能性が考えられた。