ヘルスプロモーション理学療法研究
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筋のモーメントアームが筋放電量に及ぼす影響
山田 悠司幸田 仁志甲斐 義浩北垣 香奈坂井 玲菜来田 宣幸
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2018 年 8 巻 3 号 p. 123-126

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抄録

〔目的〕表面筋電計を用いて,筋のモーメントアームの違いが筋放電量に及ぼす影響を検討した。〔方法〕健常成人男性52名の両上肢104肢を対象とした。上腕二頭筋を被験筋とし,モーメントアームが最も長い肘関節屈曲70度,およびモーメントアームが概ね等しい25度と120度の3条件(25度条件,70度条件,120度条件)での重錘保持中の筋活動を計測した。解析項目は,各条件における重錘保持中1秒間の筋電積分値を,最大収縮時の値で正規化した値(%IEMG)とした。統計解析には,反復測定分散分析および多重比較にBonferroni 法を用い,条件間の比較を行った。〔結果〕70度条件の%IEMG は,25度条件および120度条件と比較して有意に低値を示した。また120度条件の%IEMG は,25度条件と比較して有意に低値を示した。〔結論〕筋放電量は,筋のモーメントアームの影響を考慮したうえで解釈する必要がある。

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© 2018 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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