ヘルスプロモーション理学療法研究
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短報
高校野球投手における身体機能の非投球側差と投球肩・肘障害について
―障害陽性群と陰性群での非投球側差の比較検討―
幸田 仁志甲斐 義浩来田 宣幸松井 知之東 善一平本 真知子瀬尾 和弥宮崎 哲哉木田 圭重森原 徹
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2018 年 8 巻 3 号 p. 127-131

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抄録

〔目的〕投球肩・肘障害を有する高校野球投手の特徴を,関節可動域や筋力の非投球側差より分析した。〔方法〕京都府下の野球検診に参加した高校野球投手76名を対象とした。測定項目は,投球肩・肘障害の判定,関節可動域および筋力とした。関節可動域および筋力は両側に対して実施し,投球側から非投球側の値を減算することで非投球側差を算出した。統計解析には,投球肩・肘障害ごとに,対応のないt 検定を用いて陽性群と陰性群の関節可動域および筋力の非投球側差を比較した。有意水準は5%とした。〔結果〕投球肩障害では,陽性群の肩関節内旋可動域の非投球側差は陰性群と比較して有意に低値を示した(p<0.05)。投球肘障害では,陽性群の肩関節外旋可動域の非投球側差は,陰性群と比較して有意に低値を示した(p<0.05)。〔結論〕肩関節外旋可動域や内旋可動域の非投球側差による分析は,野球選手の機能低下や障害予測を判別する一助となる可能性がある。

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© 2018 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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