2019 年 9 巻 2 号 p. 77-81
本研究の目的は,地域で生活する65歳未満の女性を対象に,「ロコモ25」で判定したロコモティブシンドロームに該当する女性の身体特性を明らかにすることである。対象は,地域で自立生活を営む20歳から64歳までの女性31名とした。ロコモ度テストとしてロコモ25を使用し,身体機能評価5項目ならびに身体組成評価(体幹筋量・上下肢筋量・骨密度・Skeletal Muscle mass Index(SMI))を評価した。ロコモ25により判定されたロコモ群12名と非ロコモ群19名を比較した結果,ロコモ群の身長が有意に低く,身体組成として評価したSMI,上下肢筋量および体幹筋量が有意に低値を示した。一方,骨密度および身体機能評価のすべての項目で2群間に有意差は認められなかった。以上のことから,ロコモ25でロコモティブシンドロームに該当する65歳未満の女性は,身体機能の低下はないものの筋量の低下が認められ,早期より適切な運動ならびに生活指導を行う必要性が示唆された。