2019 年 9 巻 3 号 p. 133-137
〔目的〕関節固定後早期における前十字靱帯の最大強度とコラーゲン線維の形態学的変化について検討した。〔対象と方法〕対象はWistar 系ラットとした.ラットの左膝関節を屈曲位に固定し,右は無処置とした。固定期間の違いにより固定1週,固定2週,固定4週の3群に対象ラットを分けた。各固定期間終了後,大腿骨-前十字靱帯-脛骨の形態にして引張試験に供し,最大強度を計測した。また,走査電子顕微鏡を用いて,コラーゲン線維の配列状態を観察した。〔結果〕関節固定後1週目から前十字靭帯の最大強度が有意に低下しており,コラーゲン線維の配列状態にも変化が見られた。〔結語〕関節固定後1週目には靱帯の強度低下,コラーゲン線維の配列変化が始まっており,両者に関連があることが示唆された。