2019 年 9 巻 3 号 p. 139-142
本研究は,新たに考案した上肢機能評価法「ひも結びテスト」について,再現性のある測定結果を得るための試行回数および既存の上肢機能評価法との関連を検討した。対象は女性大学生20名(20.5±1.1歳)とし,ひも結びテスト(5回測定),ペグテスト,握力の測定を行った。その結果,ひも結びテストの測定値は2回目以降に安定し,2回目と3回目の測定値から算出した級内相関係数は0.78と良好な再現性を示した。また,ひも結びテストは上肢巧緻性の指標であるペグテストと有意な相関関係を認めた(r=0.45,p<0.05)。以上のことより,ひも結びテストは,2回の試行により良好な再現性を示す評価指標であり,特別な機器や場所を選ばず,簡便かつ短時間に上肢巧緻性を評価する指標となる可能性が示唆された。