2002 年 1 巻 1 号 p. 27-30
レタスを3.8,8.2および45mLのセルに播種し,相互遮蔽がない広い株間で育苗して24日後に定植した.茎葉,根ともに,3.8mLでは播種後19日,8.2mLでは播種後24日に生育抑制が認められた.セル容量の減少による生育抑制は,茎葉よりも根で大きく,定植しないとその後の植物体乾物量の増加は小さかった.定植後の個体相対生長率(TRGR),茎葉相対生長率(SRGR)および根相対生長率(RRGR)は,セル容量が小さいほど高かった.RRGRは,SRGRよりも高く,特にセル容量が小さいほど顕著に高くなった.定植時の還元糖および非還元糖濃度は,セル容量が小さいほど高かった.定植時の根の酸素吸収速度は,セル容量が小さいほど小さかった.定植せずにセル育苗を続けると,酸素吸収速度は変化しないかやや低下したが,定植すると増加し続けた.その増加程度はセル容量が小さいほど大きい傾向であった.これらのことから,レタスは,セル育苗により生育が抑制されるが,定植後の活着への影響は小さいことが明らかになった.