園芸学研究
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栽培管理・作型
リンゴの密植栽培条件におけるスパータイプふじ‘セイリンスパー’の生育特性
玉井 浩小野 剛史小池 洋男茂原 泉
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2002 年 1 巻 1 号 p. 59-62

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抄録

‘セイリンスパー’と‘長ふ2’/M.9ナガノ/マルバカイドウ中間台木樹の生育特性と果実品質について,密植条件下で8年間の比較検討を行った.
1.‘セイリンスパー’はわい性を示し,‘長ふ2’の半分以下の樹姿となり,2×4 mより密植条件での利用価値が高いと考えられた.一方,‘長ふ2’は強勢となり,定植後6年目にして間抜を余儀なくされるほど大型樹となった.
2.‘セイリンスパー’は‘長ふ2’より生産効率の高いことが明らかとなった.しかし,枝単位などで隔年結果性が観察されるため,その防止技術の確立が今後の課題といえる.
3.以上の結果から,‘セイリンスパー’は,果実品質にやや難点があるものの,わい性の生育特性は密植栽培での利用価値が高いと考えられた.今後は果実品質の向上と安定生産技術の検討が必要と考えられる.

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