抄録
トマト(Lycopersicon esculentum Mill.)の乱形果発生の品種間差異を‘大型福寿’および‘旭光’を供試して検討した.苗を夜温10℃以下で生育させた場合,‘大型福寿’では乱形果の発生が多かったが,‘旭光’では少なかった.両品種ともに低夜温によって第1果房までの葉数および茎長は有意に低下した.一方,低夜温によって子室数は有意に増加した.
低真空型走査型電子顕微鏡により観察した結果,‘大型福寿’における花芽の形成は‘旭光’と比較した場合,心皮がより不規則で変形していたことが認められた.