12月収穫を目指した‘ピオーネ’の夏季せん定後の展葉期から約80日間,植物育成用ランプで電照の時間帯を変えて,日長時間と暗期中断処理が新梢生長と果実品質に及ぼす影響を検討した.14時間日長区,16時間日長区および23~1時までの暗期中断処理のうち,暗期中断区の副梢葉数が最も多く,次いで16時間日長区で,14時間日長区と自然日長区には差がなかった.収穫果実の果粒は副梢葉数が多い順に大きかったが,暗期中断区では果汁の糖度が低かった.なお,果皮の着色にはいずれの区間にも差がなかった.電照の時間帯を変えて,20時,23時,2時からそれぞれ2時間の暗期中断処理を行ったところ,いずれの区も自然日長区より新梢および果実生長が優れた.暗期中断区のうち,23時から処理した区の新梢生長が最も優れ,新梢の登熟も遅れた.収穫果実の果粒重,果汁糖度,果皮着色には,暗期中断処理した区間には差がなかった.