園芸学研究
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作物保護
ウンシュウミカンの交互結実栽培におけるミカンハモグリガの省力防除方法の開発
宮田 明義岡崎 芳夫
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2002 年 1 巻 2 号 p. 137-142

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抄録
夏季せん定をともなう‘青島温州’の交互結実栽培において,ネオニコチノイド系殺虫剤を利用したミカンハモグリガの省力防除方法を検討し,以下の結果を得た.
主幹部への薬剤散布による防除効果は,イミダクロプリドよりアセタミプリドにおいて高かった.有効な処理濃度は1%から2%であり,溶剤として酢酸ビニル系エマルジョンあるいはジエチレングリコールモノエチルエーテルを使った場合には,アセタミプリド単用に比べて防除効果が向上した.また,防除効果は夏季せん定当日処理より,10日前処理において高かった.
土壌潅注処理による防除効果は,アセタミプリドよりイミダクロプリドにおいて高かった.10年生樹における有効な処理量は,成分量として1樹当たり0.5 g程度であり,処理時期としては夏季せん定10日前および当日処理が適当である.
主幹部散布および土壌潅注処理による有効防除期間は,いずれも処理後10週間程度であった.また,ミカンハモグリガの防除に必要な時間は,慣行防除に対して土壌潅注処理が約65%,主幹部散布では30%程度となり,大幅な省力効果が認められた.
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© 2002 園芸学会
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