抄録
ハウス内の温度と湿度条件の違いがキュウリの生育に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,‘夏のかほり’を供試し,午前中を中心に昼の温度と湿度が25℃・40%と30℃・60%の処理区をもうけて半促成栽培を行った.さらに,摘心,摘心摘花およびつる下ろし処理の3整枝法を設けた.その結果,30℃・60%区では果実肥大が促進されたが,側枝の発生は抑制された.摘心栽培においては,25℃・40%区で果実肥大が抑制された結果として側枝の発生が促進され,高い上物率を維持しながら果実の最終収穫本数も増加した.なお,つる下ろし栽培においては,30℃・60%区で果実肥大が促進されたためその後の側枝の発生が抑えられたので,整枝作業を簡素化できることが示された.