園芸学研究
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栽培管理・作型
収量構成要素の解析からみたキュウリ短期栽培の摘心およびつる下ろし整枝法の差異
東出 忠桐後藤 一郎鈴木 克己安場 健一郎塚澤 和憲安 東赫岩崎 泰永
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2012 年 11 巻 4 号 p. 523-529

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抄録

キュウリ短期栽培においてつる下ろし法および摘心法が乾物生産や収量に及ぼす影響を収量構成要素から解析した.太陽光利用型植物工場内で噴霧耕方式の養液栽培により,3品種のキュウリについて,4本の側枝を伸ばしてつる下ろしを行う場合と,主枝を第20節および側枝を第2節で摘心する場合とを比較した.2011年7~10月に比較実験を行ったところ,果実生体収量は,すべての品種でつる下ろし区に比べて摘心区の方が多かった.収量の多少の原因について収量構成要素から解析すると,果実生体収量が多かった摘心区および品種では果実乾物収量が多かった.果実乾物収量が多い理由は,果実への乾物分配率およびTDMがともに多いためであった.実験期間全体のTDMの違いは光利用効率の違いに関係していた.ただし,定植後40日までは積算受光量の違いがTDMや収量に影響していた.

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© 2012 園芸学会
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