抄録
Leschenaultia(初恋草)の種および種間雑種からなる13品種の花色と花弁に含まれるアントシアニン組成の関係を調査した.この結果,初恋草では初の報告となるシアニジン3-グルコシド(Cy 3G)とシアニジン3-(6-マロニル)-グルコシド(Cy 3MG)を含む5種類のアントシアニンを同定した.青および紫青色花品種では,Leschenaultia Blue Anthocyanin 1(LBA 1),デマロニルLBA 1およびLBA 2(Saitoら,2007)が,そして,黄橙,赤および赤紫色花品種ではCy 3MGとCy 3Gが主要アントシアニンであった.黄橙から赤紫色の花色における色相値(b*/a*)の減少はカロテノイドの減少とCy 3MGとCy 3Gの増加に起因していることが明らかとなった.