抄録
AMC(Acoustic Measurement of Crispness)法によって,‘太秋’における食感の定量評価方法を検討した.まず,収穫後日数の異なる‘太秋’の食感を測定した結果,周波数帯域100~140 Hzおよび3,200 Hz以上のエネルギー食感指標において食感の定量評価が可能と考えられた.次に,‘太秋’とは食感の異なる‘甘秋’の食感を測定した結果,両品種間において,前述の周波数帯域のうち,4,480 Hz以上のエネルギー食感指標で有意な差が認められた.以上の結果から,‘太秋’の食感は周波数帯域4,480 Hz以上のエネルギー食感指標で定量評価できると考えられた.また,収穫熟度の違いが食感に及ぼす影響について検討した.カラーチャート値4.5で収穫した果実の食感は3.5で収穫した果実の収穫後7~9日に相当すると考えられた.食感は‘太秋’のおいしさの代名詞であり,カラーチャート値4.5以上の果実の出荷は‘太秋’の評価低下に繋がることが懸念された.