園芸学研究
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収穫後の貯蔵・流通
音響振動法によるカキ‘太秋’の食感評価
鈴木 哲也新川 猛櫻井 直樹
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2013 年 12 巻 4 号 p. 433-438

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抄録
AMC(Acoustic Measurement of Crispness)法によって,‘太秋’における食感の定量評価方法を検討した.まず,収穫後日数の異なる‘太秋’の食感を測定した結果,周波数帯域100~140 Hzおよび3,200 Hz以上のエネルギー食感指標において食感の定量評価が可能と考えられた.次に,‘太秋’とは食感の異なる‘甘秋’の食感を測定した結果,両品種間において,前述の周波数帯域のうち,4,480 Hz以上のエネルギー食感指標で有意な差が認められた.以上の結果から,‘太秋’の食感は周波数帯域4,480 Hz以上のエネルギー食感指標で定量評価できると考えられた.また,収穫熟度の違いが食感に及ぼす影響について検討した.カラーチャート値4.5で収穫した果実の食感は3.5で収穫した果実の収穫後7~9日に相当すると考えられた.食感は‘太秋’のおいしさの代名詞であり,カラーチャート値4.5以上の果実の出荷は‘太秋’の評価低下に繋がることが懸念された.
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© 2013 園芸学会
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