園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
収穫後の貯蔵・流通
くぼみ症の発生を助長するニンニクの収穫後処理条件
山崎 博子庭田 英子伊藤 篤史上町 達也石田 信昭矢野 孝喜長菅 香織稲本 勝彦
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 13 巻 2 号 p. 169-176

詳細
抄録
ニンニクの周年出荷にはりん茎収穫後の乾燥と長期間の貯蔵が必要である.本研究では長期貯蔵したニンニクにみられる,りん片表面が陥没する障害「くぼみ症」の発生条件を明らかにするため,‘福地ホワイト’りん茎の乾燥および貯蔵条件がくぼみ症の発生に及ぼす影響を調査した.収穫後,終日通風,昼間約34°C加温,夜間無加温の条件で乾燥(以下,テンパリング乾燥)したりん茎を異なる温度(-3°C,-2°C,-1°C)および湿度(標準,低湿)を組み合わせた条件で最長約10か月間貯蔵した.くぼみ症は-3°C貯蔵では発生したが,-2°C以上の貯蔵では湿度条件に関わらずほとんど発生しなかった.収穫後,テンパリング乾燥および33°C一定条件で乾燥したりん茎を-3°C,-2°C,0°Cで最長約8か月間貯蔵した.テンパリング乾燥中の平均温度は30°C前後であった.くぼみ症は33°C乾燥したりん茎ではいずれの貯蔵温度でも発生したが,テンパリング乾燥したりん茎では-2°C以上の貯蔵ではほとんど発生しなかった.くぼみ症は33°C乾燥後に-2°C以下で貯蔵した場合に特に激しく発生した.これらの結果から,高温での乾燥および低温での貯蔵はくぼみ症の発生を助長する要因と考えられた.現在,青森県においてニンニクの周年出荷のために行われている-2°C貯蔵では,乾燥条件がくぼみ症の発生に大きく影響することが示された.テンパリング乾燥は高品質なニンニクを周年出荷するため-2°C貯蔵と組み合わせる乾燥法として有望と考えられた.
著者関連情報
© 2014 園芸学会
前の記事
feedback
Top