園芸学研究
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発育制御
明期終了時の遠赤色光照射処理および昇温処理がトルコギキョウの生育に及ぼす影響
竹村 圭弘黒木 克翁間 奈月前田 香那子岸本 真幸田村 文男
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2014 年 13 巻 3 号 p. 255-260

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抄録
明期終了時の短時間遠赤色光照射(EOD-FR)処理および短時間昇温(EOD-heating)処理が春出しトルコギキョウ栽培の生育に及ぼす影響について検討した.10月29日定植の直後から行ったEOD-heating処理とEOD-FR処理により,主茎伸長と節数増加に伴う着蕾率の増加が確認された.5月13日に測定した上位葉のSPAD値と葉の窒素含有量は,発蕾率が高かった両処理の併用区であるEOD-heating・FR区で発蕾前の区に比べて高かった.一方,根の窒素含有量はEOD-heating・FR区が最も少なかった.生育初期の光合成産物の分配について調査を行った結果,13C atom% excessの値は,葉と茎では18°C管理下においてFR処理ありが処理なしに比べて有意に高く,根ではEOD-heating区が18°C管理の区に比べて有意に高かった.以上より,冬期寡日照地域における春出し栽培では,13°C管理でのEOD-FR処理とEOD-heating処理の併用で18°C管理に比べて茎伸長と生育促進が可能であること,生育初期の光合成産物の総量の違いにEOD-FR処理およびEOD-heating処理のそれぞれが影響することが明らかになった.
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© 2014 園芸学会
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