2024 年 33 巻 p. 27-35
本研究の目的は、家庭で生活する胆道閉鎖症をもつ幼少期の子どもの主体的な体調管理を促すセルフケア支援と親子のセルフケアの変化の様相を明らかにすることである。研究方法は事例介入研究で、5歳から7歳までの子ども3名とその親に子どもの主体的な体調管理のための療養行動を促すことを目的とした介入を行った。介入の結果、子どもは自分のからだについて意思決定できることが増え、必要な情報を周囲に伝えて主体的に行動できるようになり、親は子どもを見守るという支援を行えるようになった。介入で研究者が実際に行った支援を分析すると、5つの支援の方向性と14の具体的な支援が抽出された。胆道閉鎖症をもつ幼少期の子どもと親のセルフケアの変化には、看護師による客観的なアセスメントと、親子に寄り添い子どもの気付きや関心に働きかけながら自己効力感を高めていくという方向性をもった支援が重要であると考えられた。