園芸学研究
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発育制御
着色開始期前後の天然型アブシシン酸含有肥料の果実散布がカキ‘富有’果実の果皮色に及ぼす影響
新川 猛加藤 雅也鈴木 哲也生駒 吉識
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キーワード: 着色, 温暖化, 成熟
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2014 年 13 巻 3 号 p. 267-274

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抄録
近年頻発するカキ‘富有’の着色遅延や着色不良に対応するため,天然型アブシシン酸含有肥料の果実散布による着色向上効果について検討した.250~500倍のアブシシン酸含有肥料をへた中心に果実全体に散布すると,無散布に比べてカラーチャート値で1.0高く,収穫期では1週間から10日前進化した.効果を示す散布時期は,9月~10月初旬の着色開始期直前であり,着色開始期以降の効果は認められなかった.また,着色の向上は果実散布後10日ほど経過した後に認められるが,無散布の着色が始まる時期になるとカラーチャート値の差は一定のまま収穫期まで推移した.これらのことから,アブシシン酸含有肥料の散布による着色向上は,着色開始期に移行する時期を早めることによってもたらされているものと推察した.
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© 2014 園芸学会
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