2017 年 16 巻 4 号 p. 435-441
‘桜島大根’において,空洞症およびす入りの発生要因を明らかにするために,自然交配品種‘在来品種(桜島)’およびF1品種‘鹿児島5号’を用いて,施肥方法および株間の影響を調査した.いずれの品種においても,基肥を重点的に施用し株間を広くした場合,空洞症の発生が多かった.空洞発生度と間引き終了時までの窒素施用量との間に正の相関が認められたことから,土壌中の初期窒素濃度が高いと空洞症の発生を助長すると考えられた.一方,追肥を重点的に施用するといずれの品種においてもす入りの発生は多かったが,‘鹿児島5号’は‘在来品種(桜島)’に比べてその発生が遅いことから適期収穫することで回避できると考えられた.