2018 年 17 巻 3 号 p. 337-343
新しく開発された粉質系カボチャの貯蔵特性を調査した.粉質系品種・系統のうち,‘ジェジェJ’,TC58およびTC59は貯蔵後の果実硬度の低下が遅く,粉質の保持が長い傾向にあった.貯蔵直前の全糖含量は有意に低いが,貯蔵後に急増した.貯蔵直前の果肉色a*値は低いが,貯蔵後急激に高まる傾向がみられ,L*値は貯蔵直前から高い傾向が認められた.一方,対照品種である‘えびす’は貯蔵直前でも全糖含量が多く,果肉色a*値が高いが,貯蔵により急激に果実硬度が低下した.貯蔵に伴う品質の変化から分類して,‘えびす’は,収穫直後もしくは貯蔵1か月以内の短期貯蔵での出荷に向く品種,また,粉質系品種・系統の‘ジェジェJ’,TC58およびTC59は,1か月以上の長期貯蔵後の出荷に向いている品種・系統と分類された.