テッポウユリの球根生産においては摘蕾作業の省力化が必要である.ブラスティングの発生にはエチレンが影響しており,テッポウユリのエチレン感受性が高い時期ではブラスティングが発生しやすい.本研究では,生育ステージごとの遮光,エセフォン処理および界面活性剤によるブラスティングの発生率を確認し,球根生産における実用的な摘蕾技術について検討した.その結果,発蕾時期から約3週間は特に遮光によるブラスティングが発生しやすい期間と考えられた.エチレン感受性が低い‘ピュアホルン’を除いたすべての品種では,発蕾1週前から発蕾2~3週後はエチレン感受性が高まり,特に発蕾1週間程前の高感受性時期にエセフォンや界面活性剤を成長点に処理することで,高い摘蕾効果が得られた.ただし摘蕾効果と同時に節間伸長抑制が見られ,球根肥大への悪影響が懸念されるため,さらなる検証が必要である.