2019 年 18 巻 1 号 p. 65-71
紫外光のうち280~315 nmの波長域であるUV-Bは,様々な病害に対し抵抗性を誘導するとされている.そこで,本研究では,キュウリおよびトマトの育苗期におけるうどんこ病抑制に効果的なUV-B照射条件を検討した.キュウリおよびトマト苗に対し,1日2時間連日の50 mW・m–2ならびに100 mW・m–2の放射照度では,化学農薬による慣行防除と同等のうどんこ病抑制効果が得られた.しかし,100 mW・m–2の放射照度では,葉の萎縮症状を発生させた.UV-B照射時間は,1時間では十分な病害抑制効果は得られなかったものの,2時間と3時間では慣行防除と同等の効果が認められた.以上の結果より,キュウリおよびトマト苗に対する50 mW・m–2かつ2時間連日のUV-B照射により,うどんこ病に対して化学合成殺菌剤に代わる防除手法として活用できると考えられた.