2020 年 19 巻 2 号 p. 167-174
急傾斜地における透湿性光反射シートマルチ栽培のミカン‘石地’主幹形仕立ての施肥作業時間を低減するため,肥効調節型肥料を用いて年3回分施(慣行)の夏肥と秋肥の窒素成分量の7割量を夏季施用する春夏2回区を現地実証した.夏季に肥効調節型肥料として用いた中晩柑一発は,LP配合と累積窒素溶出率に差がなく,LP配合とリン酸,カリの単肥配合を代替できることが示唆された.収量,果実形質および樹体生育は3年間の連用では差がなかった.施肥作業時間は,年3回分施に比較して,秋肥の散布およびシート開閉時間に相当する年間約20%の削減ができた.以上のことから,肥効調節型肥料を利用した春夏2回区は,収量,果実形質および樹体生育は初収穫から3年間の連用で慣行と差がなく,施肥作業時間が削減できることが明らかとなった.