園芸学研究
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育種・遺伝資源
20種類のブバルディア品種および系統を用いた正逆交配による交雑能力の評価
宮下 千枝子大槻 優華鈴木 克彰
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2020 年 19 巻 2 号 p. 159-166

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抄録

ブバルディアの遺伝資源20品種・系統について交雑能力を評価し,育種素材としての有用性を明らかにした.原種ではBouvardia longiflora 1系統,B. ternifolia 2系統,ハイブリッド系では4倍体4品種,8倍体9品種を供試した.また,4倍体品種からコルヒチン処理により作出した8倍体4系統も加え,計20品種・系統を用いた.種子親には全20品種・系統を,花粉親には花粉を採取できた13品種・系統を用いて相互に交配し,結実率,1果当たり種子数,発芽率,および1花当たり実生数を調査した.交配結果をもとに,雌性または雄性稔性を0~5(無~高)の6段階で,自殖稔性を0~4(無~高)の5段階で評価した.計137組合せの交配を行った結果,68組合せ(50%)で種子が得られ,59組合せ(43%)で発芽実生が得られた.雌性稔性については,18品種・系統で稔性有り(2以上)と確認された.ハイブリッド系4倍体品種では雌性稔性が総じて低かったが,その倍数体(8x)では顕著に稔性が回復した.雄性稔性については,10品種・系統で稔性有り(2以上)と確認された.原種および多くのハイブリッド系8倍体品種は3~5と,中以上の雄性稔性を示した.自殖稔性については,稔性有りと判定されたのは5品種・系統のみであった.倍数体を含めた16品種・系統は,いずれかの稔性が中(3)以上であり,交雑育種を行ううえで有用な素材であると考えられた.

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