地下水位制御システム(FOEAS: Farm-Oriented Enhancing Aquatic System)による排水および灌漑を実施し,夏播き冬どりブロッコリーの収量に及ぼす影響を3作にわたり検討した.灌漑処理は,灌漑なし,定植時のみ1回実施,あるいは定植時および生育中期に2回実施とした.排水効果については,降雨時に土壌の酸素濃度低下が軽減された.乾燥年に ‘グランドーム’ では,無施工区よりもFOEAS施工区で花茎空洞発生率が少なかった.一方,乾燥年に ‘ベルスター’ の花蕾重・花蕾径がFOEAS施工区で無施工区に比べて小さかった.灌漑効果については,乾燥年に, ‘グランドーム’ の花茎空洞発生率は無灌漑区に対し2回灌漑区で低かった.‘ベルスター’ では,2回灌漑区と無灌漑区の花蕾を比べると,乾燥年には直径が7%大きく,初期に多雨で中期に乾燥した年には重量が10%大きかった.従って,FOEASの排水機能に加えて灌漑機能を生かすことによって,ブロッコリーの安定生産に資することが実証された.