抄録
グランドカバー植物として有望なノシランの種子発芽特性,貯蔵方法および実生の初期生育に及ぼす施肥量の効果を検討した.ノシラン種子は,12月末の種皮が緑色の時期でも翌年1月の青色の時期でも,光の有無にかかわらず10 ℃と35 ℃ではほとんど発芽せず,20~30℃で高い発芽率を示した.そのために,冬期に成熟した種子を取り播きしても気温が上昇する6月頃までは出芽しなかった.無剥皮種子は剥皮した種子に比べて出芽速度がやや遅れ,出芽率も84 %に低下したが,実用上は問題ないと思われた.4 ℃で高湿度条件に貯蔵しておけば,剥皮種子なら6か月間,無剥皮種子でも1か月間は,発芽率を維持できた.湿ったミズゴケに包んで4 ℃に貯蔵しておいた剥皮種子を適温に近い6月上旬に播種すると7月中旬から一斉に出芽した.2月に15 ℃以上に加温した条件下で播種すると出芽が早まり,5月に実生を移植して一株当たり窒素で約50 mg以上の施肥を行うことで12月には出荷可能な大きさの苗を育成できることが示された.