2023 年 22 巻 1 号 p. 35-44
スタンダードカーネーション ‘ムーンライト’ およびスプレーカーネーション ‘チェリーテッシノ’ の6月定植作型において,一次摘心後から栽培終了まで赤色LEDと遠赤色LEDを終夜処理と16 hr処理を行い,生育および開花に及ぼす影響を検討した.遠赤色LED照射および赤色LED照射ともに開花促進効果は得られた.波長間では遠赤色LEDが赤色LEDより,処理時間では終夜処理が16 hr処理より効果が高かった.切り花品質では,遠赤色LED照射は,年内の切り花で軟弱花の発生やスプレーカーネーション ‘チェリーテッシノ’ の一次花らい数減少が見られた.冬春切り作型の切り花カーネーション栽培において赤色LED照射を用いることで,品質を低下させることなく開花促進を図ることができると示唆された.