園芸学研究
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作物保護
ソルビタン脂肪酸エステル剤の散布がナス‘千両’の促成栽培における日焼け果の発生に及ぼす影響
佐野 大樹, 川島 和夫
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キーワード: 蒸散, 界面活性剤, 生理障害
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2024 年 23 巻 3 号 p. 205-212

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抄録

ナス‘千両’の促成栽培で問題となる日焼け果の軽減を目的に,まず果実への散布による日焼け果の軽減効果の薬剤間の差異を比較したところ,SFEを含む薬剤の散布によって無処理に比べて発生が顕著に減少した.続いて,日焼け果の発生軽減機構の検討のため,収穫2日前に樹上でSFEまたは脱イオン水を散布した果実について,収穫直後から25°C暗黒条件としたときの表皮からの水分の減少速度を3日間調査した.その結果,両処理ともに,収穫時の果実に占める乾物重量の割合は3日間でほとんど変わらなかった.一方,1および2日後にはSFEを散布した果実は脱イオン水を散布した果実に比べて新鮮重量の減少割合が有意に小さく,蒸散が抑えられていた.果実への散布による蒸散の抑制により,表皮の細胞が脱水・壊死しにくくなり,日焼け果の発生が軽減されるものと考えられた.0.07%だけでなく,総合的病害虫管理のために放飼されるタバコカスミカメへの悪影響がほとんどないとされる濃度である0.023%のSFEを果実に散布した場合でも,脱イオン水の散布に比べて日焼け果の発生が有意に少なかった.最後に,実用的な方法として0.023%のSFEを株全体に約10~14日間隔で定期的に散布する方法により,褐変日焼け果発生率が,対照のPHFE剤を散布した条件の7.0%に対して,2.4%と有意に減少した.この結果,上物果収量は,対照薬剤を散布した場合の6.14 kg・m–2に比べ,SFE散布条件においては7.26 kg・m–2と有意に多く,高い実用性が認められた.

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