園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
土壌管理・施肥・灌水
スプレーギクのベンチ栽培における施肥方法が切り花品質と養分吸収に及ぼす影響
島 浩二後藤 丹十郎景山 詳弘
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 3 巻 1 号 p. 23-26

詳細
抄録

スプレーギクのベンチ栽培において,栽培期間を通じての総施肥量を一定とし,分施割合を変えた場合の施肥方法が切り花品質および養分吸収に及ぼす影響を調査した.総窒素施肥量(356 mg/シュート)を,7日間隔で摘心時から摘心77日後まで以下に示す4つの施肥方法で与えた.1)曲線区:窒素施肥基準曲線に基づき施与,2)3濃度区:窒素施肥基準曲線を摘心28日後まで,28日後から56日後まで,56日後から84日後までの3期間に分け,それぞれの期間における施肥量を等分して施与,3)等濃度区:栽培期間を通して等分割し施与,4)初期重点区:摘心28日後を境として総施肥量の50%をそれぞれの期間で等分して施与.
切り花品質はいずれの施肥方法においても大きな差は認められなかった.また,栽培期間中の培地中の養分レベルは施肥方法により異なったが,各区とも栽培終了時の培地中に養分はほとんど残存していなかった.
以上の結果から,スプレーギクのベンチ栽培では,最低必要量の養分を栽培期間を通じて等分して施用することで,培地中に養分を残存せず,高品質の切り花を簡易に生産できると考えられた.

著者関連情報
© 2004 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top