園芸学研究
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繁殖・育苗
キャベツセル成型苗の長期貯蔵における温度および間欠弱光照射が苗質に及ぼす影響
佐藤 文生東尾 久雄浦上 敦子徳田 進一
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2004 年 3 巻 1 号 p. 17-21

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抄録

貯蔵温度10℃,または,5℃として,キャベツセル成型苗を間欠弱光照射(1 h明期:23 h暗期,PPFD 1.7~7.6 μmol・m-2・sec-1),または,暗黒条件のもと,9週間貯蔵した.苗の草丈と生体重は,10℃暗黒区で徒長によって一時増加した後に低下したが,他の区ではほぼ一定に推移した.苗の乾物重は,いずれの試験区も主に茎葉部で低下し,その低下程度は10℃暗黒区が他の区より大きかった.本葉の葉色値は5℃,10℃ともに暗黒区より照射区で高く維持された.定植後の生存率は10℃暗黒区で貯蔵週数の増加に伴い低下したが,他の区では貯蔵期間を通じて低下しなかった.収穫時の結球重は貯蔵週数の増加に伴って低下した.10℃では照射により結球重低下が軽減した.以上の結果から,間欠弱光照射は10℃での長期貯蔵においてキャベツセル成型苗の苗質維持に効果的であることが明らかとなった.

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© 2004 園芸学会
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