園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
発育制御
ジベレリン生合成阻害剤がメロンの裂果発生に及ぼす影響
清水 達夫
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 4 巻 1 号 p. 89-93

詳細
抄録

メロンの裂果発生を省力的に防止するために, ネット系メロン‘アムス’の2本整枝2果着果栽培において, ジベレリン生合成阻害剤ウニコナゾールP散布処理によるつる伸長抑制が裂果発生に及ぼす影響を調べた.
ウニコナゾールP 30 ppm処理により着果後のつる伸長を抑制した場合, つるの伸長が早い段階ほど抑制効果が現れやすく, それにより明らかに裂果は減少し, 果実肥大も促進された. 特に子づる摘心直後から上位節に約20日おきに処理すれば最も効果的であった. それに対し従来の耕種的な遊びづるの整理のみでは裂果防止効果が劣った.
施肥量の増加に伴い, 耕種的に遊びづる整理を行ってもその旺盛な伸長が続き, 裂果量は増加した. それに対し, ウニコナゾールPを用いて上記の方法によりつる伸長を抑制した場合, 窒素施与量として約20kg/10aまで増肥しても, 裂果発生はみられず果実肥大も促進された. しかしそれ以上に増肥すればつるの伸長復活と果重の減少がみられ, 裂果発生が著しかった.

著者関連情報
© 2005 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top