2005 年 4 巻 1 号 p. 95-98
ヒトの健康の観点から, ホウレンソウの硝酸とシュウ酸の含量を低減化する必要がある. そこで, キャピラリー電気泳動法によるホウレンソウ中の硝酸, シュウ酸と他の主要有機酸の同時分析法を開発した. 分析条件の主要部分は次のようである. 電気泳動液として, メタノールと緩衝液(pH5.6, 10 mM PDC, 5 mM EDTA-2Na, 0.5 mM CTAB)を8:92の体積比で混合したものを用い, 吸収を持たない成分を275 nmで間接的に検出した. 一試料の分析に要する時間は15分で, ホウレンソウ抽出液中の硝酸, シュウ酸, リンゴ酸, クエン酸, コハク酸が定量できた. 本法は, ホウレンソウだけでなくコマツナやトマトにも適用可能であった.