園芸学研究
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栽培管理・作型
ニホンナシ‘ゴールド二十世紀’の間伐樹に対する 幼木期の整枝法の違いが果実生産効率に及ぼす影響
吉田 亮池田 隆政村田 謙司井上 耕介
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2006 年 5 巻 1 号 p. 63-68

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抄録

ニホンナシ‘ゴールド二十世紀’の間伐樹の幼木期の整枝法の違いが果実生産効率に及ぼす影響について比較を行なった.
間伐樹は3本主枝(3-SF),4本主枝 (4-SF),6本主枝(6SF),改良二分8本主枝(I-8-SF),8本主枝(8-SF),改良二分12本主枝(I-12-SF)に仕立て,永久樹(PT)は3本主枝とした.間伐樹は,8年生時まで樹冠の拡大を続けた後,9年生時以降樹冠を縮小し,植え付け10年目(11年生時)の果実生産を最後に伐採した.
果実生産の効率については,樹冠面積当たりの収量,葉面積当たりの収量,および収量効率(主幹断面積当たりの収量)を指標として評価した.
樹冠面積1 m2当たりの収量は,主枝本数の多い区の方が高い値で推移した.最も主枝数が多いI-12-SFの6~8年生時における平均値は4.1 kgであり,PTに比較して44%高かった.
葉面積1 m2当たりの収量も,主枝数の多い区の方が高い値で推移した.6~8年生時におけるI-12-SFの平均値は1.8 kgであり,これはPTに比較して35%高い値であった.
収量効率も,主枝本数の多い区の方が高い値で推移した.6~8年生時におけるI-12-SFの平均値は1,232 g・cmm−2であり,これはPTよりも60%高い値であった.
以上のように,主枝本数が多い区ほど,果実生産効率が高く,これは,樹冠内の短果枝着生枝の密度が高いこと,全葉面積に対して,果実生産に寄与する程度が大きい果そう葉の割合が高いこと,および新梢発生の程度が少ないことが要因と考えられる.

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