抄録
加齢や紫外線照射は皮膚のバリアを傷害して皮膚の機能を低下させ、長期的にはしみやしわの原因となる。タウリンは、表皮の顆粒層から有棘層上部に局在し、浸透圧調節物質として表皮の水分維持や細胞の容量調節において重要な役割を担っていると考えられている。加齢や紫外線照射により皮膚のタウリン量は減少するが、培養細胞やヒトでの検討から、タウリン補給が皮膚の機能回復に有効であることが示されている。最近、タウリンが表皮のタイトジャンクションの構成タンパク質に直接影響を与え、その機能を増強する可能性も報告されている。