抄録
樹勢の弱い中晩生カンキツ‘不知火’に対して土壌改良資材の施用と窒素施肥量の違いが樹体生育,土壌物理性,果実品質,細根量に及ぼす影響を調査した.土壌改良資材であるバーク堆肥,ピートモス,パーライトを施用することで,土壌物理性が改善され,細根量が増加した.窒素施肥量を多くすると,細根量は減少し,果皮率と糖度が高くなる傾向であった.土壌改良資材を施用しても,窒素施肥量が多いと,細根量は減少し,その寄与程度は窒素施肥量が土壌改良資材施用の約2倍であった.これらの結果より,‘不知火’の細根を増加させ,樹勢を良くするためには,土壌改良資材を施用した上で,過剰な窒素施用は避ける必要があるものと考えられた.