園芸学研究
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栽培管理・作型
塩ストレス,栽植密度ならびに果房直下の側枝が NFT栽培トマトの収量および糖度に及ぼす影響
斎藤 岳士福田 直也西村 繁夫
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2006 年 5 巻 4 号 p. 415-419

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抄録

NFTにおける2段摘心トマト栽培において,塩ストレス処理時期,栽植密度および果房直下の側枝利用を総合的に組み合わせた実験を行い,収量ならびに品質に及ぼす影響について評価した.塩ストレス処理は,開花期から行なうと,果実糖度は増加するものの平均果実重量が40%程度減少した.一方,第1花房開花20日後の果実肥大中後期から行うことにより,果実糖度は9.0前後に増加するが,果実肥大抑制は30%程度に抑えられた.高栽植密度条件下(約950株・a−1)では,低栽植密度(約670株・a1)と比較して,果実品質に大きな影響を及ぼさずに果実収量が34%増加した.果房直下の側枝利用によって,塩ストレス処理下においても,栽植密度にかかわらず糖度を向上させる効果があることが示された.以上の結果から,NFTにおける2段摘心トマトでこれらの栽培技術を総合的に組み合わせることが高糖度トマト生産に有効であることが示された.

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© 2006 園芸学会
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