抄録
トルコギキョウ覆輪品種の花弁の着色割合の変動と気温の関係を明らかにするために,有色覆輪品種‘キャンディマリン’および‘ネイルピーチネオ’を定植時期を変えて栽培し,各採花日の花弁の着色割合の平均値と採花日から60日遡り,その間を10日おきに分割し,採花日から遡った積算期間を設けて求めた15℃,20℃,25℃および30℃未満の各積算遭遇時間との関係について検討した.
1. 供試した覆輪2品種における5~11月の花弁の着色割合の平均値は,7~20%前後と正常で,冬から春にかけて着色面積が拡大して,1・2月採花では着色割合の平均値が花弁の約80%に達した.
2. 花弁の着色割合は,15℃および20℃未満の積算遭遇時間と高い正の相関が認められた.
3. 両品種とも,採花日から60日遡った20℃未満の積算遭遇時間が800時間を上回ると花弁の着色割合が急速に高まった.