抄録
カキ‘西村早生’は,樹齢の進行や樹勢の低下に伴い雌花の着生数が少なくなり,収量の低下がみられるようになる.そこで,徒長枝を摘心することで夏枝の発生を促し,翌年の結果母枝として利用できないか検討した.その結果,徒長枝を5~6月に摘心して発生した夏枝には,雌花が多く着生した.また,摘心後に夏枝が発生しなかった春枝にも慣行の結果母枝と同程度の雌花が着生した.一方,雄花数は春枝,夏枝ともに慣行の結果母枝よりも少なかった.夏枝,春枝ともに着花数には摘心時期の違いによる差はみられなかったが,5月上旬に摘心した区で夏枝発生率が高くなった.また,徒長枝を摘心して育成した結果母枝に結果した果実の品質は,慣行の結果母枝と比較して違いがみられなかった.
以上のことから,‘西村早生’では徒長枝を5~6月に摘心することで,翌年の雌花確保のための結果母枝として利用できることが明らかとなった.