メロン‘アンデス’を遮光ないし無遮光条件下で育て,果実のエチレン生成量と「水浸状果」発症との関係を調べた.
1. 遮光区では,収穫適期以前における果実のエチレン生成量の増加と果肉の軟化が,無遮光区より顕著に現れたが,「水浸状果」は収穫適期以降でのみ発症した.
2. 収穫適期に発症する「水浸状果」は,無遮光区より遮光区でより顕著に増加したが,一部の果実では無遮光区でも発症した.また,無遮光区では,過熟期になっても「水浸状果」の発症率は上昇しなかった.
3. 無遮光区では,過熟期における「正常果」の果肉硬度やエチレン生成量は,収穫適期における遮光区の「水浸状果」と同程度の値を示した.
本実験の結果から,メロン‘アンデス’果実における「水浸状果」の発症には,収穫適期以降に認められる高いエチレン生成は必要なく,遮光処理によって生じた,成熟初期のエチレン生成の増加が重要な役割を持っていると考えられた.