抄録
シュッコンスイートピーの‘ピンクパール’,‘レッドパール’および‘ホワイトパール’の種子および‘ピンクパール’の実生苗に低温処理を施し,最低15℃,16時間日長としたガラス温室で栽培して開花に及ぼす影響を調べた.催芽種子に対する1℃30日間の低温処理が開花に及ぼす影響は認められなかった.播種後200日を経過した‘ピンクパール’実生苗を用い,低温処理期間を8週間とし,処理温度を1,5,10および15℃と変えてその影響をみたところ,1および5℃の処理温度では開花までの日数が短くなり,1番花の着花節位は低くなり,花数の多い長い切り花が得られた.このような効果を得るのに必要な5℃の期間は8週間であった.また,低温に感応する苗齢は播種後110日以上であった.十分に自然低温に遭遇した苗でも,10または12時間日長では開花率は高まらなかったことから,長日条件が開花に絶対的に必要であることがわかった.