抄録
本試験は,暖地のキンギョソウの摘心栽培において長日処理と冬期夜温設定による効果を明らかにするために行った.キンギョソウ‘ライトピンクバタフライII(LPB II,II型)’と‘ライトピンクバタフライIII(LPB III,III型)’を供試し,夜温11℃と16℃のそれぞれに長日処理と自然日長を組み合わせた4処理区を設定した.9月下旬からの長日処理は‘LPB III’の草丈を伸長させた.長日処理と夜温16℃の組み合わせは,‘LPB II’および‘LPB III’の第1節以下分枝の到花日数を減少させるとともに採花本数を増加させることが認められた.栽培期間を通じて,‘LPB III’は‘LPB II’より切り花長が長かった.本試験の結果,‘LPB III’の摘心栽培においては,長日処理と夜温16℃の組合せが冬季の開花促進と採花本数の増加に有効であることが明らかとなった.