抄録
ニガウリの雌性型系統を種子親とした青中長系の一代雑種‘熊研BP1号’を育成し,半促成,早熟および抑制栽培における作型適応性を検討した.本品種は各作型において安定した多雌花性を表現し,特に,対照品種‘えらぶ’の雌花節率が低下した抑制栽培の生育後期においても高い雌花節率を維持した.収量は半促成および早熟栽培では‘えらぶ’に比べてやや多く,抑制栽培では約50%多かった.雌性型を種子親とする一代雑種の有利性がニガウリの育種において確かめられた.なお,本品種は生育初期に雄花が少ないため,受粉のための花粉用個体が必要である.