園芸学研究
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育種・遺伝資源
ナスの促成栽培期間中における時期が単為結果性系統の着果および果実肥大に及ぼす影響
古賀 武下村 克己末吉 孝行浜地 勇次
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2009 年 8 巻 2 号 p. 149-153

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抄録
ナスの促成栽培に適した単為結果性品種を育成するに当たって,栽培時期が単為結果性系統の着果および果実肥大に及ぼす影響について検討した.単為結果性系統の着果率は栽培時期間に有意差が認められ,秋期および春期が冬期より低かった.また,人工気象室内において昼夜温を3水準に分けた試験では,気温が高いほど単為結果性系統の着果率は低下した.これに対し,単為結果性系統の正常肥大果率は,いずれの栽培時期とも95%以上で,着果した果実はほとんどが正常に肥大した.一方,冬期における単為結果性系統の着果率は系統間に有意差が認められなかったが,秋期および春期における単為結果性系統の着果率は系統間に有意差が認められた.従って,単為結果性系統の選抜は着果および果実肥大が不安定となりやすい促成栽培期間中の高温期に行うことが重要であると考えられた.
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© 2009 園芸学会
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